そんなことより

ゲームの話とか全然関係ない話とか

軽い気持ちでドキドキ文芸部!をプレイしたらエライ目に遭った

今回はちょっと変わったゲームを紹介するよ。(ネタバレあり)

(Steam公式ページ)

(非公式日本語化パッチ)

steamcommunity.com

 

正式タイトルは「Doki Doki Literature Club!」だけど、日本ではドキドキ文芸部と呼ばれてるらしい。

タイトル画面を見て貰えばわかる通り、可愛い女の子が出てくるビジュアルノベル……ではない。

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幼馴染のサヨリに誘われて文芸部に入ることになった主人公は、モニカ、ナツキ、ユリとともに間近に迫った文化祭を目指して活動することになる…というギャルゲーによくありそうなストーリー。

ヒロインたちは全員初日から主人公にあからさまな好意を持っている。人生イージーモードかよ。

選択肢もあるが、文芸部は毎日自分が書いた詩を見せ合うという(恥ずかしい)活動をしていて、好みの単語を選んで詩を作ると該当の女の子の好感度が上がり、イベントが発生する。

一見どこにでもある普通のギャルゲー。

しかし、Steamページには「精神的恐怖」のタグがつけられており、Wikipediaでは「サイコロジカルホラー」とジャンルづけされている。ゲームを起動すると「このゲームには子供に相応しくない内容、または刺激の強い表現が含まれています」との一文が……。

とはいえ、1周目は詩の内容や、ユリとナツキの喧嘩など、所々に不穏な要素が散りばめられてはいるものの、ホラーな展開はやってこない。安心して目当ての女の子とイチャイチャしよう。

しかし1周目のラストは…………。

 

周回プレイによってストーリーに変化が生まれる仕掛けになっており、2周目以降は地獄のホラー祭りとなる。

とはいえ、グロ、残酷描写はあまりなく、メタフィクション的な部分を利用したびっくり系が多い。

驚かし方は多岐にわたり、BGMのテンポを変えたり不協和音を混ぜる、キャラクターの画像がバグる、本来のセリフを別のものに書き換える……どれも突然挿入される演出なので、どうしても驚いてしまう。バグのような演出にはランダム要素もあり、必ず起こるわけではないところが、プレイヤーに心の準備をさせてくれない意地悪さを感じる。

私は2周目でナツキルートに行こうと思ってたら強制的にユリルートに行ってしまう仕様のせいで、ナツキに責められるときが本当に怖かった。

ユリは逆にヤンデレらしいヤンデレなので、若干見慣れてる感があってそこまで怖くはなかった(演出にはびびったけど)

 

また、このゲームには別の怖さも存在する。

それは各ヒロインたちが"女"の部分を見せてくるところだ。それも悪いカタチで。

ユリとナツキの口喧嘩はその代表的なシーンだろう。

1周目では早い段階でサヨリが止めに入り、大した騒ぎにはならないが、2周目は止められる人間がいないためどんどんヒートアップ。とてもじゃないが、主人公には聞かせられない。聞いてるけど。

お互いのマウントの取り合いが実に女らしいやりとりだ。

普通のギャルゲーでは、ヒロイン同士の喧嘩などかわいいものであることが多い(と思う)子供がお気に入りのおもちゃの取り合いをするようなものだ。

ドロドロとした喧嘩シーンを取り入れるゲームもあるとは思うが、ドキドキ文芸部のそれとはやはり違う。ただの男の取り合いだけではない。女の羨望と嫉妬、優越と劣等が入り混じり妙にリアルだ。あまりにもリアルだ。

特にユリが顕著で、ところどころで自分をわざと弱く見せて主人公に媚び、他の女の子(ライバル)の前で主人公は自分の味方だと声高にアピールする。同性に嫌われそうなタイプである。

まあ、私は女のドロドロしたやり取り好きなんだけどね。

 

そして、このゲームのもう1つのやばいところは主人公が割とクズであること。

幼馴染のサヨリから重度のうつ病であることを告白され、彼女を支えてあげようと誓った数分後に他の女とイチャつき、挙げ句の果てにはキス未遂。しかもサヨリに目撃される。

その後の選択肢次第ではサヨリに告白する。どの口で。

それなのに次の日にはすっかり忘れて、不安定なサヨリを置いて1人で登校してしまう。そしてサヨリの死を目撃してようやく後悔するのだ。

言動と行動が全く合っていない。ヒロインはプログラムとはいえこんな奴を好きになってはいけない。

まあ、モニカが恋をしたのはプレイヤー自身だが。

 

ネガティブなことばかり書いたが、これらは全て悪いことではない。

むしろゲームを彩る重要な要素だ。ドキドキ文芸部!は単なるホラーゲームではない。

このゲームは恋愛が主題で、しかも純愛モノだ。

主人公を怖がらせるのが彼女たちの目的では決してない。彼女たちの行動原理は皆恋心によるものだ。ゲームをプレイしてもらえればその意味がわかるだろう。

そしてぜひ文芸部のみんなを好きになってほしい。

このゲームはとにかく細部まで作り込まれている。にもかかわらず、無料で公開しているのだから驚きだ。

言語は英語のみだが、非公式で日本語化パッチがある。翻訳もしっかりしているし、パッチ導入も至って簡単。
プレイ時間も3時間程度なので、連休の暇な時間にぴったりだ。

ホラーが苦手でなければ文芸部のいろんな女の子と親しくなってみyyyyyう

 

 やっぱりいろんな子と仲良くなるなんて良くないよね。モニカとだけ仲良くすればいい。

モニカだけ。

 

Just Monika.

 

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