【Thisコミュニケーション】多分デルウハ殿より読者の方が人の心無い
ジャンプSQで連載中の大人気漫画、Thisコミュニケーションはあと2回で最終回を迎える(公式発表/2024年1月現在時点)
この機会に"最低"という言葉が最も似合う主人公が活躍するサバイバルサスペンス漫画、Thisコミュニケーションを履修して一緒に最低の最終回を見届けよう!
あらすじ
地球上に突如現れた異形の怪物、“イペリット“は瞬く間に人類を蹂躙し、人類は滅びを待つばかりとなっていた。
イペリットが発する有毒ガスの届かぬ高地の“研究所“に辿り着いた元軍人のデルウハは、そこでイペリットに対抗するために造られた“ハントレス“と呼ばれる6人の少女たちと出会う。
人の限界をはるかに超えた怪力と、不死身の肉体を持つハントレスだが、複雑な出生ゆえ彼女たちには作戦も連携もなく、ただ競い合いながらイペリットを力任せに退治していた。
デルウハは“1日3食“の生活を条件に、彼女たちを“部隊“として育てる契約を研究所の所長と交わす。
そのためにデルウハが真っ先に始めたことは、ハントレスたちを殺害することだった──。
用語解説
ハントレス
600kgの大砲を軽々持ち上げるほどの怪力と不死身の身体を持つ少女たち。
研究所から供出された子供を薬漬けにして造った。元は普通の人間。
造られた順にいちこ、にこ、みち、よみ、いつか、むつの6人で姉妹と表現されることもあるが、血は繋がっていない(多分)
肉体の防御力は普通の人間と変わらないが、死ぬほどのダメージを受けると仮死状態になり、死ぬ1時間前の状態に8時間かけて復元される。記憶も死ぬ1時間前に戻る。
デルウハはこの特性を利用して、ハントレスを殺害することで不都合な事実を“なかったこと“にしている。
怪力も不死身も6人とも同じだが、戦闘力は個々の生まれ持ったセンスで左右される。
思春期の少女(14~15歳くらい)であり、供出されて改造されたこと、みち以外親が名乗り出ていない、研究所から腫れ物扱いされているなどの理由から、処理しきれない不満や不安でそれぞれ精神的に弱点を抱えている。
連携すればイペリットによる被害を減らせるはずが、いつも獲物の取り合いになり、連携はほぼできていない。心から嫌いあっているわけではないが、ギスギスした関係。
突如人類を襲った謎の生命体。巨大なナマコっぽい。キモい。
地球を自分のものにするためか、人間を積極的に襲ってくる。イペリットが出すガスで低地は人の住めない環境となっている。
人を取り込んで知能を得た人付きなどの亜種も存在する。
とんでもない勢いで数を増やしており、生き残った人類だけでは対抗は絶望的。すごいキモい。
キャラクター
デルウハ
我らがデルウハ殿。
デルウハといえば最低。最低といえばデルウハ。
徹底した合理主義&効率主義で、軍にいた頃は“モンテローザの悪魔“と呼ばれ恐れられていた。
不要と判断したら人の命を奪うことにも抵抗がなく、戦争中も事故に見せかけて無能な仲間を殺害しまくっていた。
別に殺人趣味とかではなく、単に選択肢に殺人があり、それを躊躇いなく選べるだけ。他にいいやり方があれば別に殺さない。
彼の興味は1日3食食べることに向けられている。その生活を守るためにハントレスの不都合な記憶を“消して“、最高の部隊に育成しようとしている。
唯一の弱点は運が悪いこと。
いちこ
一番初めに造られた“長女“であるためか、責任感が強く真面目だが、頭が硬すぎるきらいがある。
イペリットと戦う能力はあまり高くないため、よみなどからは下に見られているが、戦術や砲術を学んでからはデルウハ不在時は代わりに指揮をすることも多い。
猫耳のような髪型が特徴。
にこ
やたらと人を煽ったり揶揄ったりする言動が多い。みち曰く「顔以外かわいくない」
よみほどではないが戦闘センスは高い。
一見明るく振る舞っているが、親が名乗り出ていないことなどが原因で精神はかなり不安定で、いつも苛立っている。普段の態度はその裏返し。
デルウハ相手にフラグを立てて数秒で破壊(殺害)された。かわいそう。
みち
帽子とポニーテールが特徴で、6人の中で唯一家族が名乗り出ている。
寡黙で個人主義なため、勝手な行動はしないが他人と交流しようともしない。
家族と“かわいい“ものにしか興味がないので、“かわいい“を理解できないデルウハは苦戦気味。
よみ
6人の中では圧倒的な戦闘センスを誇るが、認められたい、必要とされたいという鬱屈とした気持ちのせいで暴走しがち。
一応弱者は守るべきという考えはあるが、口が悪いため最悪なアウトプットになってしまっている。
戦闘力は高くとも、6人の中でもっとも精神的に脆いので、デルウハにもそこを狙われやすい。
とある最低作戦によってデルウハへの信頼度はかなり高い。やめときなそんな男。
いつか
丸メガネに三つ編みのノリのいい人情家で、積極的に問題を起こすことは少ないが、物事を自分の都合の良いように取る癖があり、視野が狭い。
再生能力の応用で、血を固めて操作する特技を持ち、この特技がハントレスたちの“覚醒“のキーとなっている。
むつ
末っ子。消極的な性格で、姉妹たちと仲良くしたいと思いながらも馴染めていない。案外“いい性格“をしている。
デルウハに近い合理主義的な考えを持ち、デルウハが来てすぐ彼を疑い始めた。他の姉妹にはないある秘密がある。
甘いものは苦手。
所長
デルウハの凶行を知る唯一の人物。
半ば無理やり共犯者となってしまった可哀想な人に思えるが、そもそもこの研究所は子供を改造してるヤバい施設なので、所長であるこの人の倫理観も別ベクトルで終わっている。
割とすぐ保身に走るし普通にデルウハより悪人かもしれない。
とはいえ他の研究員よりは若干マシ。
吉永
研究所内の教会で神父をしている青年。
敬虔な信者でありながら、自身を「超能力者」とうそぶく変わり者。
普段見せる“超能力“はどう見ても手品で、所長をはじめとした研究員やハントレスからも遠巻きにされている。
基本的には善人だが、誰かを救うヒーローになりたいと思っており、親切が独りよがりで押し付けがましいところがある。
オスカー
デルウハの軍時代の同僚で、女性でありながら高い能力を持っており、デルウハもその能力を高く評価していた。
デルウハに恋心を抱いている。やめとけそんな男。
魅力
・ヘイトコントロールが上手い
成人男性が少女たちを効率のために殺しまくるってどう考えてもデルウハ殿の好感度が地に落ちそうだけど、デルウハ殿はこの漫画の顔であり人気キャラクターだ。
デルウハ殿は死ぬほど運が悪い上にたまにやらかし、いつも絶体絶命の危機に陥る(自業自得)
殺人犯だが割と報いを受けているので、読者は安心してその様子をエンタメとして楽しめる。狂った世界。
本当に倫理観がないのは俺たちかもしれない。
・デルウハ殿が安定して最低
ハントレスって思春期の女の子たちだからかなりめんどくさいんだけど、それはそれとしてかわいいところあるし慕われたら悪い気しないし少しは情が湧くと思う。
でもデルウハ殿には関係ない。情なんて湧かないので容赦なくぶち殺す。
ちなみに感情がないとかではない。
だからどんな出来事があってもデルウハ殿はやってくれる(意味深)なのである意味安心して読める。改心するタイプの悪役が嫌いな人におすすめ。主人公なんだけどね?
・シュールなギャグが多い
この漫画はサバイバルサスペンス漫画というジャンルらしいが、血みどろな展開の割にシュールな笑いを誘う場面が多々ある。
基本的にはデルウハ殿の最低な行動と、持ち前の運の悪さでピンチを陥る姿をゲラゲラ笑いながら読むのが正しい読み方である。読めば読むほど人の心失っていく。
ちなみにゴア表現は意外と控えめ。
まとめ
この物語の主軸はタイトル通り“コミュニケーション“にある。
デルウハ殿はあくまで効率のためハントレスと交流し、彼女たちの弱点を消して強い部隊に育てることで、自分の食生活を守ろうとしている。
そこに一切の情はないが、研究所の誰よりもハントレスたちに真摯に向き合ってることは紛れもない事実。
あと2話でハントレスとデルウハ殿の間にどんなコミュニケーションが交わされるのか注目だ。
ThisコミュニケーションはジャンプSQ作品の中でも文句なしの大人気作品だが、今の所アニメ化の気配はない。
デルウハ殿のせいだぞ。