そんなことより

ゲームの話とか全然関係ない話とか

【アンデッドアンラック】“神“が罵倒語になる唯一の漫画を読まないか?

私は週刊少年ジャンプを電子で定期購読して数年になるんだけど、連載開始当時から読んでいるアンデッドアンラックの面白さが最近特に加速しているから、みんなに読んでもらいたい。

読んでもらいたい……んだけどもう3年も連載してて単行本も15巻まで出ててアニメ化も決まってるのにいまいち知名度が足りない気がするからここで紹介させてもらうね。

重大なネタバレは避けてあります。多分。

 

あらすじ

周りの人が次々と不幸に見舞われる少女は、その日死を選ぼうとしていた。

そこで“死ぬことができない“男と出会い、彼に半ば無理やり命を救われる形となる。

彼らは玩具として神に選ばれたこの世のルールを否定する“否定者“だった。

“不死“のアンディは死ぬために、“不運“の出雲風子は彼に死を与えるために、否定者が集うUNIONに加入し、最高の死を得るために神を殺す戦いに挑む。

 

用語解説

・否定者

この世界にあるルールを否定する能力を持たされた人間のこと。

能力は自/他対象や強制/任意発動のように発動条件が人によって違う。

アンディは自己対象強制発動型の死の否定者なので自分の死、または死につながる現象(大怪我、老化)を否定している。

つまりどんな怪我をしようが出血しようが死なずにすぐ再生する能力ってこと。

いい能力に見える?でも痛みとかはそのまんまだからね。死にたくても死ねないし、大切な人と共に老いることもできないよ。クソがよ。

ちなみに否定能力は本人の解釈次第で能力の範囲が広がったり狭まったりする。

例えば、不停止は走っている状態で止まろうとするとさらに加速してしまい、体が“壊れる“まで止まれなくなる。

この能力を持つトップは陸上選手のため、“壊れる“のイメージが骨折なので骨折すれば止まれるが、“壊れる“のイメージが“死“であった場合、死ぬまで止まれなくなる。

ごめん、ここまで書いてて思ったけどめちゃくちゃクソ能力じゃない?いやこれも氷山の一角で否定能力は全部クソなんですけどね。

ただ、一応解釈次第でクソをちょっとクソぐらいに変えることは可能。

なのでどれだけ自分の否定能力を理解して活かせるかが鍵となる。

否定者の経験が長いアンディは再生能力を応用してかなり色々やってる。痛覚あるのに……。

 

・課題(クエスト)と理(ルール)

否定者たちが集うユニオンには3ヶ月に一度、いくつかの課題が与えられる。

基本的にはUMAの討伐や否定者の捕獲がメインで、クリアすると報酬が与えられ、失敗すると世界に新たな理が追加される。

理とは“性別“、“人種“、“死“などで、追加されることで、世界は昔からその理が当たり前に存在したかのように改変される。

例えば、銀河(ギャラクシー)が追加された際は、夜空にそれまでなかった星が追加され、星座、神話、曜日という概念が世界に追加された。

漫画内では銀河のルールが追加されるまで夜空に星はなく、曜日も存在しないことが描写されている。

この理の追加に関して否定者は感知することができないため、理の追加によってどのような影響が起こるのかは追加されてみないとわからない。

なんで課題とそれに伴う理の追加があるのかって?

知らん。神の趣味でしょ。

 

UMA

神が人間を苦しめるために作った理を担う存在の怪物。

UMAを殺すと世界から該当の理が消えるが、場合によっては他の理で補填され、世界に変化がないこともある。

例えば、SPRINGを倒した際は、世界から春が消え、それに伴い気候が変わり桜なども無くなったが、SLICEを倒しても“切る“という概念は残ったままだった。

ちなみに人間を苦しめるために作られた割には捕獲してある程度言うことを聞かせることも可能。ポケモンみたいでかわいいね。

 

・古代遺物

神が作った特殊な力を持つ道具。

触れると頭に大量の情報が流れ込んでくるため、触れすぎは脳へのダメージが大きく危険。

世界のあちこちに散らばっており課題の報酬で手に入れたり自力で見つけることも可能。

 

・神

クソヤロー

 

以上

ごめん神への憎しみのあまり説明放棄しちゃった。

アンデラの世界には少なくとも2人の神、サンとルナがいて、地球と人類を使ってゲームをしている。ふざけやがって。

サン:この世界に理とUMAを生み出し、理の勝利に賭けている。UMA殺しまくるとキレる神のくせに心狭いやつ。

ルナ:古代遺物を作り人間の勝利に賭けてる。ほうれい線が汚い。

人間の勝利に賭けてるってことはルナは味方だと思うじゃん?

もちろんそんなことはない。むしろルナの方が邪悪まである。

そもそも神に私たちの価値観など通用しないので、否定者はゲームの駒であり、否定者に起こる悲劇は神への怒りを募らせるための強化アイテムくらいにしか思っていない。

あと明言されてないけど、人類側に賭けてるってことは人間を否定者にしてるのもルナの可能性が高い。

能力によっては普通の生活すらままならない否定能力もあるのに、ただ付与するだけじゃ飽き足らずその人にとって最悪のタイミングで最悪の能力付与してくる。嫌がらせだろ。

この漫画において神は罵倒語になるので気をつけよう。「作者は神」と書いた日には名誉毀損で訴えられても文句は言えないぞ。でも戸塚先生は神(色んな意味で)

 

アンデラのここが魅力的!

・展開がスピーディで気持ちいい!

一話で風子とアンディが出会い、二話と三話で組織の人間との対決し、追手をかわすために組織に入ることを決意、と最初からかなりテンポ良く進む。

アンデラの最初の盛り上がりポイントは“不変“のジーナとの戦闘だ。

ジーナのキャラと強さ、そしてその最期も相まって人気のジーナ編は5話〜8話で短く美しくまとまっている。そして8話の最後で組織の全メンバーと顔合わせという濃縮っぷり。

スピード感を求めすぎると、描写が足りなくて「あれ?話飛ばした?」と置いてけぼりを食らうことがあるが、アンデラは一話にいろんな描写が濃縮されており、置いてけぼりを食らう心配はない。

そしてそのスピード感は最近の展開でも存分に活かされている。ジェットコースター並みのスピードなのに最後までチョコたっぷりだよ。

 

・粋な描写

シェンの否定能力“不真実”は目で見た好意を持っている相手にその時取ろうとした行動や言動の真逆のことをさせるという能力。

ユニオンのボスであるジュイスのある“重大な隠し事“が発覚した時、ジュイスが土下座で謝罪しようとしたところを不真実で止めることでジュイスをまだ信頼していることと隠し事について咎める気がないことを示したり、

妹や兄弟子の仇であり師匠でもある男に「自分たちのことを家族のように思ったことはあるか?」と聞いた時、「家族などと思ったことはない」と言われるが、実は不真実が発動していて……というエモエモの演出に使われている。

この辺説明なくて読者に読み取ってもらう形にしてるのがよりエモ。

アンデラは能力に絡めた言葉遊びとかも豊富で読み返すと「あ!これって!」みたいな発見がたくさんあるからいいんだよね。

よーく見たらコマの端でキャラの掛け合いがあったりとか、普通に読んでたら気づかないような描写あるから楽しい。単行本のおまけページやTwitterで設定公開されたりもするから油断できねぇ。

 

・爽快なカタルシスが得られる

アンデラに限らず敵が強大すぎるとどうやって戦えばいいの……って感じになり、フラストレーションが溜まりそうなところを、アンデラでは定期的にカタルシスを与えて解消してくれる。

特に今の展開はスーパーカタルシスタイムで15巻溜めた分一気に放出してるよ。祭りだね。

神がクソヤローな分、殺した時に最高のカタルシス得られるの確定してるからすごくない?

 

・偶然にも愛されている

主人公のアンディは風子がアンデッドをもじってつけた名前で、出雲風子はいつも不幸をもじっている。

そのほかの否定者たちも能力名をもじってつけられた名前……と思うじゃん?

実はシェン、ジーナ、ボイドを出した時点ではアンディと風子のような命名規則はなかった。

しかし「もしかして能力名から名前つけてるのかな?」と盛り上がっている読者を見て作者が気づき急遽変えたのである。

UNCHANGE(不変)がジーナでちょっと無理やり感あるのは意識していなかったから(あとから苗字を足してジーナ・チェンバーにした)で、UNTRUTH(不真実)に関しては真は中国語でシェンっぽい読みらしいけどこちらも偶然。

ボイドさんはUNAVOIDABLE(不可避)だからそのまんま……に見えるけどこれも偶然とのこと。

でもおかげで能力わからない人も名前から能力考察できて助かる。原案の名前も知りたいな〜。

アンデラではお馴染みのクソデカロゴでの能力名開示シーンだが、これもジーナのコマに余白ができたのでUNCHANGEってロゴを入れられます?と編集にお願いする→デザイナーさんがなんかかっこいいロゴにしてくれる→読者もカッケー!と盛り上がり人気の演出になったという経緯がある。

このデザイナーさん(山本優貴さん)がすごいのは6巻の表紙左下のインクの滲みがとある作中キャラのシルエットになっているという粋すぎるデザインもやってくれたとのこと。作品理解度が高い……。

バッチリ設定決めているところとライブ感の両方があって、偶然が上手くハマって思いがけない面白さに繋がるところも最高。

 

・キャラが魅力的

何か紹介するたびキャラの魅力推してるけど、そもそもキャラが魅力的じゃない作品に惹かれないからこの下りは毎回あると思ってください。へいお待ち!いつものね!

前述したけど否定者って基本不幸なんだよね。というより不幸にされてるっていうか。

ユニオンの敵対組織にアンダーという組織があるんだけど、別に彼らだって能力で好き放題やってたりはしない。っていうか好き放題できるような便利な能力そうそうないしね。

彼らには彼らなりの目的があって、そのために戦ってるだけ。つまり誰にとっても敵は神なんだよね。

彼らも元は(今も)善良で、だからこそ過去に囚われ、未来を想い、今苦悩している。

そういう奥行きが、キャラクターに生を感じさせて魅力が増していると思う。

私はテラーさんが好きなんだけど、最近の曇らせシーンで好きになったわけじゃないからね?その前から好きだから。ああいう常識ある苦労人ポジションみたいな人が好きなだけだから。

私は推しには幸せになってほしいタイプのオタクだから曇らせはちょっと……。

曇らせ好きな人には最高の漫画だとは思います。集まれ!闇のオタクたち!

やっぱ集まるな。神かお前たちは(罵倒)

テラーさんの細かすぎて伝わらない好きポイントはちゃんと「バニー」と「くるる」をあだ名の方で呼んであげてるところ。

性格的に本名の方で呼びそうだけど本人からクレーム入ったんかな。あと友才にはさん付け+敬語なのもいい。ファンは呼び捨てだから人選んでる。本当に細けぇポイントでごめんなさい。

ビリーおじさんも好き。タチアナちゃんとの擬似親子いいよね……。小説読んだら本当にただの親バカおじさんだった。

マンゴー嫌いだったけどタチアナとお菓子作りしてるうちに好きになったって何よ!ちょっと!キレそう。

ルイン戦のアレ、ネットでイタ電おじさんって言われててウケる。確かにイタ電みたいだけども。

マジで最初「何こいつ」と思ってたキャラも絶対好きになれるから〜!

っていうか今そのキャラを好きにさせるパートやってるとこだから〜!

この漫画で死んで欲しいのは神と暗黒金持ちだけだから〜!

 

本当に単行本15巻まで読んだ後本誌読んでほしい……2022年49号から読めば追いつけます。

マジで読んでよ。ルーシー出てくるあたりちょい減速してるけど……そこからまた盛り返すから……っていうか単行本で読み返すとネットで言われてるほどテンポ悪くない。

今はめちゃくちゃテンポいい。読んでて気持ちいい。毎回アンケート一位入れてる。

過去に出てきた「誰だっけ???」みたいなキャラにもスポット当ててるし、一話であっという間に魅力を描いて好きにさせてくるから手腕がすごいよ。

これで漫画連載するの初めてなんだもんね。絶対嘘。

読み返せば読み返しただけ面白い漫画だと思うんだけど……もしかしてこの漫画オタク以外は好きじゃないやつ?

ヤダーーー!!!みんな読んでよーーー!!!!!

 

にほんブログ村 にほんブログ村へ