金田一少年の事件簿を知っているだろうか。
いわゆる探偵もので、アニメ化やドラマ化もされた人気作品である。私も子供の頃よく観ていた。
同じ探偵ものである名探偵コナンより、凄惨なシーンやお色気シーンが多く、青年向けの漫画と言える。
金田一少年の事件簿は基本的に連続殺人であり、動機も復讐など重い理由が多い。(たまにイニシャルがS・Kだからとか理不尽極まりない動機もある)
殆どの事件には二つ名のついた「怪人」が登場し、その怪人が誰であるか=犯人は誰かを推理するのが醍醐味でもある。
さて、そんな金田一少年の事件簿を見ていてこんな風に思ったことはないだろうか?
「このトリックどうやって実現したの?」
「犯行がハードスケジュールすぎない?」
「金田一にトリック再現されてる時の犯人はどんな気持ちなの?」
そんな“犯人”の苦悩や葛藤、トリックをフィジカルでなんとかする努力を嘲笑……見守る「金田一少年の事件簿外伝 犯人達の事件簿」というスピンオフ漫画がある。
金田一少年の事件簿を知らなくても、探偵ものというだけでだいたい察すると思うが、この漫画の犯人は皆金田一に負けて罪を暴かれている。まあ、ある意味勝ち逃げみたいなやつもいるけど。
オチは完全にわかっているはずなのに、実際に犯人がトリックを見破られて焦ったり、演技力を自画自賛したり、絶望したりするたびに笑えてくる不思議な作品だ。
原作を知っている方が楽しめるが、知らなくても問題はない。私も事件によっては知らないものもあるが普通に笑えた。
犯人たちは苦労して考えたトリックを実現するためマイナス20度の吹雪の中たった一人で谷底から水を組み上げて氷橋を作ったり、風車に中年男性をくくりつけたり、偽ニュースを録音するためにアナウンサー学校に通ったりする。
どう考えても努力の方向がおかしい。その情熱とフィジカルを他のことに使った方が良い。
そんな犯人たちは金田一に打ち勝つために様々な策を講じてきた。その一部を紹介しよう。
☆金田一をそもそも呼ばなきゃ大丈夫でしょ?
ターゲットを集めようと思ったらそいつが行けなくなって代理で来るし、美雪が行くと分かれば参加者の女子をトイレに閉じ込めてわざと欠員を作って付いてくる。
それはなぜか?悪運と性欲が強いからである。
結論:無理
★謎を解く前に帰ってもらおう!
帰らせることはできる。
ただし、戻ってこないとは言っていない。しかも戻ってくる頃には謎を解く準備ができている。
結論:出会った時点で負け
□金田一を殺しちゃえばいいのでは?
殴って雪山にポイしたらセーターを燃やして凍ったリフトを動かして帰ってくるし、底なし沼に落としたらリスを使って助かろうとした後なんやかんやで生還し、吊り橋から落としたけどやっぱりめちゃめちゃ生きてた。
結論:不死身
ではどうやったら金田一にバレずに犯行を完遂できるのか本気出して考えてみた。
◆見立て殺人はやめろ
いつも思うけどなんで見立て殺人にするんだ?
死体さえ見つからなければ、殺人事件として扱われずにその隙に次の犯行に移れるというのに。
一人ずつ殺して埋めてしまおう。え?漫画のコンセプトが崩れる?うるせぇ!
◇余計なことは喋るな
金田一は証拠がない状態のとき、わざとカマをかけてボロを出させようとしてくる。必要なこと以外喋ってはならない。
まあ、喋らなくても推理ショーによって炙り出したりしてくるけど。ちょっとしたいたずらですけどもみたいな顔して謎解きをエンターテイメントにしてくる。シャブやってんの?
▲犯罪芸術家(笑)は頼るな
あいつの計画は案外穴がある上に、自分の楽しみのためにわざと金田一を呼び寄せる。
しかも失敗したらその全責任を押し付けて死をもって償わせてくる。な〜にが地獄の傀儡師じゃ。中二病かよ。
△金田一や美雪が来たら犯行を中止しろ
全てはこれに尽きる。
ターゲットが全員揃う機会など滅多にないのかもしれないが、金田一がいる時点で詰みである。絶対に中止しよう。絶対にだ。
美雪がいる場合は後から金田一も来る。呼ばなくても来る。なぜか?金田一はシャバにいられるギリギリの性欲だから。
まあ、どんな理由があろうと殺人はダメだけどね。
これを読んでる人は絶対殺人に手を染めてはいけないぞ!あと金田一は絶対シャブをやってる!