そんなことより

ゲームの話とか全然関係ない話とか

【無能なナナ】私はどうせなら殺傷力の高い能力が欲しいな〜

特殊能力を持つ人間がなんらかの敵と戦う、能力者バトルものは根強い人気があるジャンルで、ざっと調べただけでもかなりの数の作品が存在する。

例えばヒロアカとかHUNTER×HUNTERとかタイバニとかね。

今回記事にした「無能なナナ」も能力者の高校生たちがたくさん出てくる漫画だ。

これから無能なナナの見どころや魅力を書いていくが、当然ネタバレなので気をつけてね。

ちなみにガンガンオンラインで1話無料公開してるよ。

http://www.ganganonline.com/viewer/player/viewer.html?tw=2&cid=SQEX_MUNOU000XXXC0011_72

 

あらすじ

日本のとある孤島に特殊な“能力”を持った高校たちが集められ、“人類の敵”と呼ばれる怪物と戦うための訓練を受けていた。

その中の1人、中島ナナオはクラスでも浮いた存在だった。

彼は能力を一度も見せたことがなく、クラスメイトからは無能呼ばわりされていた。そんなある日、クラスに2人の転校生が現れる。

明るく天真爛漫でちょっと空気の読めない柊ナナ。特殊能力は心を読めること。
そして無愛想な小野寺キョウヤ。能力は不明。

ナナは持ち前の明るさと空気の読めなさで、中島に近づいてくる。

ズケズケと心の中に踏み入ってくる彼女のことをうっとおしく思いながらも、彼女の抱える孤独を知り、自身もコンプレックスと向き合うようになる。

そんな中、ナナによってクラスのリーダーを決める争いに半ば強引に巻き込まれてしまった中島。

炎使いのモグオと氷使いのセイヤがリーダーを争う中、中島は参加せずに勝負の行方をぼんやりと眺めていた。

しかし、勝負がヒートアップしすぎてモグオの放った炎がナナたちに向かって一直線に飛んできた。

中島はとっさにナナたちを庇う。直撃したはずの中島は無傷だった。

彼の能力は“能力の無効化”。身を呈して皆をかばった中島はクラスメイトに認められ、リーダーになる。

リーダーの就任が決まった日、自信を取り戻した中島はナナとともに崖から海を見ていた。

2人は固い握手を交わし、人類の敵との戦いを前に決意を新たにした。

そして彼らは人類の敵に立ち向かっていくーーーーー

 

 

わけではない。

この漫画の本当のジャンルはサスペンスである。

 

 

本当のあらすじ

握手した中島の腕を引いて、崖から突き飛ばしたナナ。

なんとか細いロープに掴まった中島を見下ろしながら、ナナは冷淡に種明かしを始める。

心が読める、というのは持ち前の観察力と推理を駆使してそうみせかけているだけで、実際の彼女は無能力者だった。

何故そうまでして潜入し、自分を殺そうとするのか?もしやナナは人類の敵なのか?その疑問にもナナは淡々と答える。

「いいやお前たちこそが“人類の敵”だからだ」

能力者たちが聞かされていた“人類の敵”など元から存在せず、彼らは訓練と称してこの島に“隔離”されていた。

ナナが中島につきまとったのも、能力の詳細を把握して、確実に殺すため。そこにはなんの感情もなかった。

柊ナナは“本当の”人類の敵である能力者を秘密裏に抹殺するために派遣されたエージェントだった。

本来のナナは冷酷で恐ろしく頭が良い少女であり、普段の天真爛漫な姿は全て演技によるもの。

中島を殺害後、ナナは人心掌握術により、クラスのリーダーに就任、その裏で少しずつ能力者を暗殺していく。

一方、不老不死である小野寺キョウヤの殺害失敗を機に、キョウヤに殺人犯として疑われることになる。

人類と能力者の、静かな戦争が始まった。

 

漫画の見どころ

・サスペンス×能力者バトル

この漫画に登場する能力者は、殺傷能力のある危険な能力を持つものが多い(たまになんの役にも立たなそうな能力もある)

対するナナは普通の女の子よりは体力があるものの、特殊な能力は一切ない。能力者を一人殺害するにも念入りな準備が必要となる。

そんな無能力の少女であるナナの武器は頭脳だ。

能力者には必ず存在する何かしらの“弱点”(氷使いのセイヤは水深5メートルはあるだろう広い池を一瞬で凍りつかせることができるが、人間を凍らせることは出来ない、など)を利用したり、心理的な罠で隙を作ったり、ときにはリスキーな方法を選んだりと、とにかく様々な手段で能力者たちを確実に消していく。

そして、もちろん殺人鬼とバレてはいけないためキョウヤの糾弾をかわさなくてはならない。

キョウヤは鋭い洞察力と推理力を持つ上に不老不死であることを活かして、崖から飛び降りて遺留品を探したり、毒液を飲んで確かめたりと大胆な方法で捜査を行う。ナナの目的にとっては最大の敵だ。

ナナはキョウヤの疑惑をかわし、任務を遂行できるのか?それともキョウヤが証拠を掴んでしまうのか?

 

・正義の所在

ナナとキョウヤは殺人犯と探偵、というサスペンスものの定番の関係だが、2人とも自分の“正義”のために動いているのが特徴。

ナナの言い分は、人類の敵は放っておけば多大な被害が出る、だからその前に始末する、というもの。

しかし、人類の敵といえど、彼らは人間。しかも少年少女たちである。

能力者たちは、たしかにナナや“委員会”が指摘するように、人格に問題があったり、危険な思想を持っていたりすることが多い。

根っからの善人であるミチルはともかく、基本的に彼らには能力者ゆえの歪みが存在する。

2番目に殺害されることになる、時間遡行により過去改変を行うことのできる渋沢ヨウヘイは一見すると正義感の強い善人のようだが、過去を変えることで間違いが起こる可能性を全く考えておらず、自分は常に正しい、だから間違いは起こらないと信じ込んでいる。

そのほかにも、島に来る前にすでに殺人を犯している者や、感情的になって危険な能力を使ってしまったり、無能力の普通の人間を無意識に見下している発言もうかがえる。

そして彼らが精神が成熟しきっていない“子供”であることが、より危険性を高めている。ナナは「赤ん坊に核兵器を持たせるようなもの」と表現している。

実際に能力者による大量虐殺が過去起こっていることもあり、警戒するのは当然とも言える。

しかし、果たして彼らは殺さなくてはならないほどの悪人なのだろうか?

“委員会”は能力者ごとに推定殺害人数を算出し、ナナに伝えているが、どういう計算で出た結果なのかは不明。

直接の殺傷能力がない上に、呆れるほどのお人好しなミチルにすら推定殺害人数が設定されているなどその信憑性には疑問が残る。

それ以外の“委員会”の言い分もかなりうさんくさく、ナナは彼らに操られている節すらある。能力者にとっての“本当の敵”はナナではないが、まだ誰もその事に気がついていない。

謎だらけの委員会だが、その正体も今後少しずつ明らかになるであろうことが示唆されている。

 

王道な漫画からちょっと外れた物語が読みたくなった時にオススメな本作。

みんなもナナとともに人類の敵を抹殺しよう!

 

ところで、この漫画に出会ったきっかけが友人に「この漫画えりちゃんにオススメ!」って言われたからなんだけど、この漫画を勧められたってことはもしかしなくてもdisられてる?

 

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