いやマジで今更ですけどね。前にハガレンの記事(鋼の錬金術師(09年版)を全部観て死ぬほど泣いた - そんなことより)を書いた流れもあるし、スマホのメモに映画の感想が残っていたのでせっかくだから書きます。
※好き放題書くけど苦情は受け付けないよ!
あの名作鋼の錬金術師実写化ということで、公開前から何かと話題になった。(主に悪い意味で)
試写会であまりの出来に号泣したファンがいただの、監督が悪い感想は書かないように呼びかけただのという噂もあり、もうめちゃくちゃだった。原作ファンは決して観てはいけないとまで言われていた。
私はハガレンが好きだったが、話題になりすぎてて逆に観たくなった。
それに、観てもないのにあれこれ語るのは私のポリシーに反する。というわけで、公開から数日後、1人で映画館へ。
ちなみにハガレンファンの友人を「一緒に1800円をドブに捨てに行こうぜ!」と誘ったが普通に断られた。泣きそう。
まだ特典の0巻が配られていた。むしろこれのために来た感はある。
映画館は公開直後なのにあまり混んではいなかった。大丈夫なのか。
期待しないで観たため、かなりハードルが低くなってはいるものの、出来は悪くはなかった。
が、決してよくもなかった。
クソ映画とまでは言えないが、面白いかと言われると微妙だし、笑いにするにも微妙だ。なんていうか、とにかくいろいろと微妙だった。
以下、細かくいいところと悪いところを書いていく。
*キャストについて
公開前にキャストに関して「日本人キャストなんてありえない!」という意見を多く見たが、私はそこらへんは仕方ないと思っている。
外国人キャストを集めてハガレンのセリフを違和感なく言わせられるのだろうか?それとも字幕なのか?字幕じゃ迫力出ないだろう。それとも吹き替え?それアニメでよくない?
日本人が演じるのに違和感があるかもしれないが、外国人でも違和感はあると思う。
あと見た目に関して、ウィンリィを茶髪にしたことに批判が集まっていたが、私はこれに関しては肯定派である。
だってキャスト全員金髪似合ってないんだもん。
エドもホークアイ中尉も金髪だけ浮いてて変。エルリック兄弟の幼少期は完全にギャグ。
だったらいっそ明るめの茶髪にした方が馴染んで良かったのではないだろうか…。
エルリック兄弟の金髪金眼は作中で意味がある要素なので改変すべきではないかもしれないが、改変なんて今更だし、見た目の違和感が拭えるならその方がマシだと思う。
配役は演技がよければなんでもいい…と思っていたが肝心の演技は良くなかった。
特にウィンリィは後述の性格改変も相まってとにかくひどい。誰も本田翼に演技指導をしなかったのだろうか?本田翼が演技素人ならちゃんと指導すればいいものを…あまりにひどい。これは別人と思うことにする。
もちろんいい演技をする役者もいる。大泉洋はポスターに写っている時点ではただの大泉洋だったが、映画の中ではちゃんとタッカーだった。見た目は大泉洋だけど。
◇話はまとまっている
作中の要素を少しずつつまみ食いしているようなストーリーだが、それぞれの話の繋ぎ方が上手く、案外違和感はない。
ヒューズ中佐殺害の容疑者がマスタング大佐で逃亡しつつ調査とか、アルが真理を思い出すための催眠療法中にタッカーに唆されて造られた存在だと思い込むところとかはなかなか良かったと思う。
○アルはいい
アルのCGでの再現度は◎。
声も少年らしさが残っていて違和感なかった。
しかし、そんなアルも妙に出番が少ない。CGに金がかかるのか?
◆ショボすぎる小道具と衣装
衣装はポスター見た段階からコスプレイベント感が漂っていたが、実際見るとやっぱりきつい。
衣装が妙に綺麗すぎるせいだろうか。着倒した感がないので、衣装だけ浮いている。
あとTwitterで話題になってたが、明らかに日本の公園でロケするのはやめてくれ。
アルが催眠療法で布団に寝かされるところ、シーツがおろしたてみたいに綺麗で鎧との対比ですごい笑った。催眠療法ってだけで面白いのに。
物語の重要なキーとなる「賢者の石」がどう見てもおもちゃにしか見えない。またはあめ玉。
「あー昔レジンであーいうの作ったなぁ」と思いながら観てた。アクリルかなんかで作ってるよね?もっとこう…人の命を使って作られてるんだから、生々しい赤さとか…妖しい輝きとか…ねえ?
母親の墓が風が吹いたら飛んで行きそう。さては発泡スチロールだなオメー。
◆謎の取捨選択
後半の人形兵のくだりとかいる?壮大に出てきた割に知らん将軍殺して、軍隊に殲滅されて終わった。スカー削るのにここは残すの?
■どの層をターゲットにしているかよくわからない
原作ファン…は阿鼻叫喚だったし、原作知らない人向け…なのか?
大人が見ると小道具やセットのショボさばっかりが目につくから、子供が観たら面白いかも…と思っていたが、後半の人形兵とか人間燃やしたりとかやたら気持ち悪いシーンが多い。こんなん子供泣くわ。
ちなみに私の行った映画館では親子向けの上演プログラムになっていた。やめろ。
▼長い
案外上手く話をまとめてはいるが…それでもこの内容で2時間は長すぎて飽きる。1時間半くらいに集約できそう。
★キャラクターの性格改変
私が特にダメだと感じたのはここだ。なんで無駄に変えたのか意味がわからない。
役者に合わせたのか監督の趣味なのか、とにかく解釈違いだ。
エドに元気さが足りない。怒っても控えめ。
あのノリを実写でやるのは難しいのかもしれないが、チビと言われて「あ?」と返して睨むだけってチンピラじゃないんだから…。(漫画のエドもチンピラ感あるけどあれは元気なチンピラ)
大佐は他人に厳しく融通がきかないキャラになってしまい、原作の女好きでだらしないように見えてしたたかな野心家の面は全くない。
教祖の持っていた偽賢者の石を兄弟の目の前で燃やしてエド連行とか、原作なら絶対にしなさそうだ。こいつにはついて行きたくない。
映画では部下がホークアイ中尉しかいないのも、人望がないせいにしか見えない。っていうかハボックくらいは出しても良さそうなものだが…。
有能といえば有能かもしれないが、愛嬌がない。
ドクターマルコーは強そうすぎる。絶対ホムンクルスの1人や2人は殺れる。
ホークアイ中尉は無能すぎる。すぐ動揺して銃を下ろす。前半は大佐の後ろにいるだけで陰が薄い。
そしてウィンリィ。
アニメといい、実写映画といい、なぜメインヒロインは改変の最たる被害者になってしまうのだろうか。
本田翼は可愛い。ウィンリィも可愛い。
でも映画のウィンリィは可愛くない。事あるごとに兄弟に同行しては人質になり足を引っ張りまくる。
エドのことは大好きだが、アルのことはどうでも良さそう。
しゃしゃる、とにかくなにかとしゃしゃってくる。 リゼンブールに帰れ!兄弟の帰る場所だろが!
本田翼の演技が素人なのも相まってとにかくイライラするお邪魔虫になってしまった。
彼女の性格が原作通りなら、全体の評価はもう少し上がる。そのくらいダメだった。
☆まとめ★
原作ファンとしては他にも色々ツッコミどころがあるんだけど、そういうの抜きすればそこそこ観れる作品ではある。
ただ、とにかく予算不足をなんとかしてほしい。
お金ないのに実写化映画なんていうお金のかかりそうな作品作るもんじゃないね。