突然、あ〜鬱ゲーやりて〜という気分になった。
暗い話を見聞きすると数日〜数週間引きずるくせになぜか定期的に鬱を求めてしまう謎の習性がある。人間って不思議。
Twitterでオススメの鬱ゲーを聞いたところ、NieR:Automataを勧めてもらったが、残念ながらPS4を持ってなかったので一旦保留とした(その後PS4を入手したので今度やる予定)
ぼんやりとYouTubeのオススメ動画一覧を眺めていたとき、「END ROLL」というフリーゲームのプレイ動画を見かけた。
フリーとは思えないクオリティの高さと、絶対に鬱になれそうなあらすじにウキウキしながら早速ダウンロードした。
プレイしてみると予想を超える面白さと作り込みに、すっかり夢中になってしまった。
救いのない展開で人を選ぶかもしれないが、悲劇的ながらどこか美しさを感じる結末は一見の価値アリ。
感想とかいいところを書いていくけど、ラストまでガッツリネタバレあるから気をつけてね。
あらすじ
14歳にして死刑囚になったラッセルは「HAPPY DREAM」という新薬投与の被験者に選ばれる。
薬を投与すると、丸一日眠りにつき被験者の心の中や記憶が反映されて作られた幸せな夢を見ることになる。
ラッセルは夢の中で、かつて自分が殺害した被害者と同じ姿の人たちに出会う。
罪悪感を知らないラッセルの心は彼らと幸せな日々を過ごしていくうちに少しずつ変わっていく。
そしてそれは同時に、幸せな夢の終わりを意味していた。
ネタバレ感想
RPGツクール系のフリーゲームを遊んだことのある人にとっては馴染みやすいゲームシステムで、戦闘も特に難しい部分はない。
ただし、普通にゲームを進めているだけではTRUE ENDにはたどり着けない仕様になっている。
寄り道でサブイベントをこなすことによってTRUE ENDに必要な“罪悪値”を上げることができる。
ゲームの主な流れはHAPPY DREAMを投与する→住民のお願いを聞く→お願いを叶えるためにダンジョンに入りボスと戦う→ その住人に対する記憶を思い出す→目覚める、の繰り返しでゲームが進む。
これだけなら普通のRPGのようだが、そうは問屋が卸さない。
街の住民たちは皆、ラッセルに命を奪われた被害者たちがモデルとなっている。
そして、彼らのお願いを叶えるには、彼らを殺害した記憶を辿らなくてはならない。
ダンジョンやそこに出てくるバケモノ(敵)は、被害者や事件現場と関わりがあるものがモチーフとなっており、ダンジョンのボスは被害者の身内などの近しい人物が元となっている場合が多い。
バケモノやボスたちは時にラッセルに恨み言を投げかけ、糾弾する。この声はラッセルにしか聞こえない。
ボスを倒し自宅に帰ると、自分の日記から当時の犯行の詳細を知ることができる。
それとともに彼が歩んできた人生がどれだけ悲惨だったかも同時に明かされていく。
日記を読んだ後、夢は恐ろしい姿に変貌し、被害者は殺されたときと同じ姿でラッセルの身勝手な犯行を責める。
目が覚めると真っ白なベッドの上。口の悪い看護師に導かれるまま、またHAPPY DREAMを投与する……その繰り返し。
このゲームの最も重要な箇所は全ては夢の中の出来事だという事実にある。
ラッセルが街の人々と過ごすたびに知らなかった感情を知り、それとともに罪悪感を募らせていくと、夢は少しずつ壊れていく。
木には目玉がぶら下がり、看板や標識は読めないほどめちゃくちゃになり、悪夢の化身がラッセルを追い回す。
しかし、どんなにラッセルが罪悪感を覚えても、住人と心を通わせても、困っている人を助けても、すべては夢。
殺した人は生き返らないし、遺族が彼を許すこともない。もちろん彼の罪が消えることだってない。
その事実をラッセルは自覚しているし、もちろんプレイヤーもわかっている。
TRUE ENDでは罪悪感によって崩壊していく世界を終わらせるためラッセルはもっとも仲の良い住人に自分の罪を告白し、自分がしたのと同じ方法で殺害されることを望む。
彼が殺害されることで夢の世界は完全に壊れ、更生プログラムは完了する。
ラッセルはこの実験を通して死刑を免れることになったが、釈放を待たずに自殺を選ぶ。
もしかしたらこの実験の真の目的はこれなのかもしれない。
恐ろしい犯罪者を罪の意識もないまま死刑にするより、罪悪感に苛まれて苦しませて自殺させるほうが、遺族側もスッキリするしね?
もし失敗してもどのみち死刑になるのだから関係がないし。
だから全ては実験してる側の思惑通りなのがすっごく癪。ラッセルは確かにイカレ野郎だけどさ〜!
14歳の少年にそんな人道を無視した実験してる方も異常者だからね?!
生まれたときから絶望しかなかったラッセルの心が少しでも癒やされてればいいな。それでも誰も救われないんだけど。
キャラクター
キャラクターに愛着を持てば持つほどストーリーが進むごとに辛くなる仕様なので、愛さないようにしたかったが無理だった。だってみんないいやつなんだもん……。
ラッセルの都合よく作った人間だからいいやつなのは当たり前かもしれないけど、元になった人物を知らないからプレイヤーにとっては夢の中の彼らが本物だもん……。
トゥルーエンドはどれも辛い切ない苦しい。犯罪者であるラッセルを苦しめると同時にプレイヤーにもダメージを与えてくる……とは、ね。
私はタバサがお気に入りでよく連れて行ってた。属性攻撃豊富なのと、まあまあ打たれ強いし突出してないけど使いやすかった。
最初に仲間になるっていうのもあるし、万能系キャラ好きだし。
ゲームにおける万能キャラって最終的に能力が中途半端になりがちで敬遠されることも多いけど、私は火力より安定感重視なので彼の存在はとても助かる。
酩酊者との戦闘後におぶってくれるのいいよね。お兄ちゃんじゃん。
あと彼のイベントはそんなに怖くないから……。
ガーデニアはイベントが本当に怖かったのでほとんど連れて行ってない。いつアレが来るかわかんないし。は゛っ゛ひ゛ーは゛ーす゛で゛ぇ゛と゛ぅ゛ーゆ゛ー。怖すぎる。漏らした。
1周目の海祭りもタバサと行った。戦闘になるなら属性攻撃豊富なやつがいいな、ってだけの理由だったんだけど、まさかお祭りに行くとはね。絵面が……。海辺なのにタバサすげー暑苦しい格好してるし。脱げや。
閑照先生も好き。私の趣味わかりやすいね。でもどうせみんなもこういうキャラが好きなんでしょ?
でりばりゅうとかいう謎生物使役してるのほんと好き。なに?
あとドグマとコーディの魔法兄妹もよく使ってた。ドグマ体力なさすぎワロタ。筋肉つけろや!
ミレイユとユーミは加入遅かったのであんまり使ってない……彼女らの加入前にレベル上げすぎて差が……。ごめんね。
ガーデニアは……うん……ゆるして……(トラウマ)
流石に2周目以降は全員均等に使ってたけどね。
隠しキャラはウォルターは仲間にできたけど、レイモンドは仲間にする条件難しすぎて1周目は気がつかなかった。っていうかケチだからレイモンドの商品買わなかった。ごめん。
どのキャラも個性豊かで悲しい物語を中和してくれる癒やしの存在。
でも愛着が湧けば湧くほどどんどん辛くなっていくからな〜!上手い作りしてるぜ〜!
BGM
なんとBGMの多くは作者さんのオリジナルらしい。多才か?
ボス戦闘曲めちゃくちゃ好き。どれも良いけど、特に「対峙」(哀悼者との戦闘曲)と「深層」(酩酊者との戦闘曲)が好き。
ドキドキ文芸部みたいにサントラやちょっとした設定資料を有料ダウンロードにしてくれないかな?
そしたら買うから。ね?お金払わせて?ね?(こわい)
グラフィック
キャラクターのドットの動きが豊富で、会話中のイラストも表情豊か。
戦闘時は技によってはカットインイラストまである。
あと敵の不気味な見た目やネーミングも良い。ウラミツラミとかトリッパーとかが好きかな。ナゾウオかわいかったけど形態変化したら怖すぎて速攻で殺した。
ボスのデザインは埋葬者が好き。あと哀悼者はかわいい(?)
キツかったのは血だまりウサギたちかな……精神削られるわ〜。この苦しみを共に味わってもらおうと思って動物好きのタバサ連れて行ってたわ〜(悪魔か?)
街にはそれぞれ独特な雰囲気があるし、モブの住人との会話も面白い。
私はニャン族の街が好き!ネコ可愛いし、映画も観れるし!
まあ住人はシャブ(マタタビ)やってるけど。あいつ……シャブやってるわよ。
トコヤミタウンも静かな雰囲気で好きだな〜。あとソウレツ。擬音が背景に描いてある火葬場が好き。
1周目はTRUE END2つ見て、裏ボス倒して、おまけ部屋行って、2周目はNORMAL ENDを見て、そして3周目で全キャラのエンディングとその他見てない会話やイベントなどを回収したよ。多分もう見てないイベントはないかな?
タバサ→ユーミ→ガーデニア→ミレイユ→ドグマ→コーディ→閑照先生の順でエンディング回収。映画と海祭りも全キャラ見たよ!
ヤマバショウを求めるニャン族をしばいたら飴の羅針盤入手不可能になって笑った。
いや別におじさんがいるだけだからいらないんだけどね?おまけ部屋にあったおじさんからもらったお菓子を食べた状態でおじさんに話しかけると台詞が変わるっての試したかっただけなの。
そのために少し前のセーブからやり直したよ。変態ショタコンモブおじさんのくせに手間取らせるんじゃねぇ!
しかし無料……無料?どういうこと?わかんない……。お金払えないの……?
これだけ心をめちゃくちゃにしてくれる(?)のに無料なのはおかしい!お金払わなきゃ!
有料配信して!買うから!そしてまたプレイして心をめちゃくちゃにされるから!
絶望にお金払わせてくれ~~~~~!!!
サイトURL
http://nantekotodesyoune.wix.com/endroll/
ダウンロードページ
https://www.freem.ne.jp/win/game/11967